2008年08月20日

口まわりの皮疹

今日は、唇、口のまわりにできる皮膚炎についてお話します。
1.口唇ヘルペス
口まわりの皮疹
以前にヘルペスウイルス感染を起こし(症状のないことも多い)、神経節にウイルスが潜伏し、日差しを強く浴びたり、かぜをひいたり、疲労したり、生理前などに再燃しておきます。軽い痛み、かゆみ、違和感が前兆としておき、くちびるの周囲に小水疱ができます。一度再発すると、人によっては繰り返すことが多いです。ヘルペス性歯肉口内炎として口腔内に病変ができることもあります。かさぶたになるまではキスなどは控えましょう。
治療:抗ウイルス剤の内服、外用などを行います。
2.かぶれ(接触性皮膚炎)
口まわりの皮疹
口紅、リップクリーム、歯磨き粉、マンゴーなどの食物などにかぶれて起きることがあります。
治療:原因となる物の使用、摂取を止めましょう。一度反応するようになると、使用すればするほどかぶれます。使用を中止した上で、唇をワセリンで保護し、ステロイドの外用や症状がひどい時には、内服治療を行うこともあります。
3.固定薬疹
口まわりの皮疹
皮膚と粘膜の移行部に好発します。生理痛の薬(消炎鎮痛剤)が原因でおき、内服する度に、口周囲に紅斑、掻痒が増強し、色素沈着がみられます。
治療:原因となる薬剤を中止します。色素沈着(紫灰色)にはQスイッチレーザー治療が効果的なこともあります。
4.舐める刺激による皮膚炎
口まわりの皮疹
冬場におきやすく、絶えず唇を舐める癖があると、唾液による刺激で起きます。
治療:ワセリンなどで唇を保護し、石鹸、洗顔剤などの使用を控えます。
5.光線過敏症
日光による過敏症状でおきます。
治療:ノンケミカルの日焼け止めで遮光します。なるべく、帽子、日傘を使用しましょう。皮膚炎に対しては、ステロイドの外用などで治療します。
6.口角部カンジダ症
口まわりの皮疹
口角部にびらんなどの症状をおこします。
治療:抗真菌剤の外用を行います。
7.その他



Posted by yoshiko at 12:26
この記事へのコメント
口まわりに、皮膚炎が出来るのは、

免疫力が 弱っているからですか?

(≡^∇^≡)ニャハハ
Posted by ハービーハービー at 2008年08月20日 12:32
バービーさんへ

 ヘルペスやカンジダなどは免疫力が弱ったときにおきやすいですが、かぶれはかならずしも免疫力が弱まっている時とは限りません。
 でも、口周りを含め、肌を良い状態に保つためには、バランスのよい食事、十分な睡眠など免疫力を高める生活を心がけるのはとてもよいことだと思います。

 柴田佳子クリニック  柴田より
Posted by yoshikoyoshiko at 2008年08月20日 21:56