2009年01月21日

顔しみのいろいろ

 一口で顔のしみと言ってもいろいろな種類があります。
 しみは色素が存在する皮膚の層により、色が異なって見えます当然色素が存在する部位により治療法も異なります。
icon76具体的には、
icon98褐色(茶色)のしみ:肝斑、老人性色素斑、そばかす(雀卵斑)、扁平母斑、外傷後炎症後色素沈着など
icon98灰褐色のしみ:遅発性太田母斑様色素斑など
icon98灰紫色、紫色のしみ:太田母斑、固定薬疹、外傷性刺青など
icon76色素が存在する部位は、
褐色のしみ:表皮基底層
灰褐色のしみ:真皮上~中層
灰紫色、紫色のしみ:真皮中~下層
と次第に深くなっていきます。
icon76治療法:
icon98褐色のしみ
老人性色素斑、そばかすなどはQスイッチレーザーの適応になります。更に十分とれなかった色素斑、薄い色素斑、レーザー後色素沈着にはトレチノイン、ハイドロキノン治療を加えると効果的です。
顔しみのいろいろ
老人性色素斑
顔しみのいろいろ
治療後
顔しみのいろいろ
そばかす
顔しみのいろいろ
治療後
 肝斑はレーザーの適応とはなりませんので、トランサミンの内服や外用治療(トレチノイン、ハイドロキノン)が中心となります。
 外傷後または炎症後色素沈着は外用治療(トレチノイン、ハイドロキノン)が効果的です。
 扁平母斑は効果的な治療が少ないのですが、Qスイッチレーザーなどを小範囲行い(テストレーザー)、効果があるようなら全体に行います。その後、外用治療を行ったりします。
いずれの治療にせよ、扁平母斑は再発しやすいです。
icon98灰褐色のしみ
遅発性太田母斑様色素斑はQスイッチレーザーの適応になります。比較的深い部分に色素が存在するので、レーザー後も浅いしみ(褐色)の様にすぐに改善はみられません。何故ならレーザーにより破壊された色素がもちさられるのに時間を要するからです。半年~1年をかけて徐々に色素は薄くなっていきます。また、濃い場合数回のレーザーが必要となります。レーザー後の色素沈着も起こしやすいので、レーザー後後療法として外用治療を行います。

icon98灰紫色、紫色のしみ
 これらのしみは深い部分に存在するので、正常な組織に損傷を与えずに、深くまでレーザー光が到達するQスイッチレーザーの適応となります。
 太田母斑の治療は上記の遅発性太田母斑の治療と同様ですが、治療回数は数回必要です。
 固定薬疹後色素沈着の治療もQスイッチレーザーやトレチノイン、ハイドロキノンの外用治療を行います。
 外傷性刺青の治療もQスイッチレーザーが効果的です。



Posted by yoshiko at 13:26