2009年10月26日

よく見かける体のできもの、皮膚炎について

 今日からは数回にわたり体にできる腫瘍、皮膚炎についてお話します。face02
 今日は四肢(腕、大腿、下腿など)です。この部位は顔などに比べ血行が悪く、施術後の赤みの引き方などが悪く、湿疹後などでも色素沈着になりやすい部位です。特に下腿では季節の変わり目や冬場に乾燥し、湿疹などをおこすことがあります。
icon98まずはできものです。
1.色素性母斑
治療:小さなほくろでも切除術をお勧めします。炭酸ガスレーザーでの焼灼はこの部位は痕になりやすく、お勧めできません。
2.石灰化上皮腫
よく見かける体のできもの、皮膚炎について
皮下にできる比較的硬い腫瘍です。
治療:摘出術をおこないます。
3.脂肪腫
皮下にできる柔らかい腫瘍です。血管脂肪腫は多発することがあり、軽度の痛みを伴うことがあります。
治療:摘出術を行います。
4.皮膚線維腫
よく見かける体のできもの、皮膚炎について
虫刺されの後などにドーム状に隆起した病変です。
治療:気になるなら切除術を行います。
5.その他
icon98次に皮膚炎ほかです。
1.帯状疱疹
よく見かける体のできもの、皮膚炎について
水痘を起こすウイルスの再燃により、体のいたるところに生じますが、片側に帯状に赤味、水疱が生じます。
治療:主として抗ウイルス剤の内服をします。
2.かぶれ、貨幣状湿疹
よく見かける体のできもの、皮膚炎について
特に下腿は皮脂の分泌が少なく乾燥しやすいので、季節の変わり目、不適切な毛ぞりにより湿疹を起こしやすい部位です。じくじくし、貨幣状の湿疹になることもあります。
治療:毛ぞりなどの刺激をやめ、石鹸などの使用を控えます。その上で症状に応じて、ステロイドの外用薬や、保湿剤などを使用します。じくじくしている時にはステロイド外用に加え、亜鉛華軟膏が効果的です。
3.皮脂欠乏性湿疹
よく見かける体のできもの、皮膚炎について
上記と同様に下腿は皮脂の分泌が少なく乾燥しやすいので、季節の変わり目に乾燥し(特に秋、冬)、場合によっては湿疹化することがあります。
治療:洗いすぎない、保湿などのスキンケアを心がけ、湿疹化した時には、ステロイドの外用などの治療を行います。
4.結節性痒疹
よく見かける体のできもの、皮膚炎について
かゆみを伴う褐色ドーム状の結節です。繰り返す掻破行動などにより出現します。
治療:ステロイドの局所注射や、ステロイド含有テープの貼付などを行います。
5.多形紅班
よく見かける体のできもの、皮膚炎について
ヘルペス感染や扁桃炎などの感染症や薬疹の一部として、四肢に浮腫を伴う紅班が出現します。
治療:原因として感染が疑われる場合には、原因に対する治療を行います。加えて、ステロイドの外用、抗ヒスタミン剤の内服などを行います。
6.扁平苔癬
よく見かける体のできもの、皮膚炎について
C型肝炎や、金属アレルギー、薬剤が誘因となり、灰色がかった赤味を伴うカサカサした皮疹が出現します。爪に変形を伴うことがあります。
治療:原因に対する治療(薬剤の場合は、可能なら薬の内服を止めるなど)に加え、ステロイドの外用などを行います。
7.その他



Posted by yoshiko at 20:48