2009年01月28日
しもやけ(凍瘡)
今日は今年の冬多くみられているしもやけについてお話します。
医学的には凍瘡と言います。
手の指、足の指、耳介などにおきます。

暗赤色のうっ血性浮腫や腫れぼったい紅斑(赤み)をきたし、温まるとかゆみが起きます。
学童期に多いのですが、大人でもしばしば見られます。
原因:気温5~10℃程度の寒冷刺激によりおき、繰り返し寒冷刺激が起きることで末梢の小血管がうっ血し(循環障害)、炎症をきたします。体質的な素因に加え、皮膚温低下、皮膚が湿っぽいなどの要素が加わって発症します。
治療:予防として末梢が冷えない工夫が必要です。ビタミンE含有軟膏、ビタミンE、ニコチン酸などの内服に加え、かゆみ、紅斑、浮腫などの症状がある場合はステロイドの外用を行うこともあります。



学童期に多いのですが、大人でもしばしば見られます。
原因:気温5~10℃程度の寒冷刺激によりおき、繰り返し寒冷刺激が起きることで末梢の小血管がうっ血し(循環障害)、炎症をきたします。体質的な素因に加え、皮膚温低下、皮膚が湿っぽいなどの要素が加わって発症します。
治療:予防として末梢が冷えない工夫が必要です。ビタミンE含有軟膏、ビタミンE、ニコチン酸などの内服に加え、かゆみ、紅斑、浮腫などの症状がある場合はステロイドの外用を行うこともあります。
Posted by yoshiko at
22:33
2009年01月21日
顔しみのいろいろ
一口で顔のしみと言ってもいろいろな種類があります。
しみは色素が存在する皮膚の層により、色が異なって見えます。当然色素が存在する部位により治療法も異なります。
具体的には、
褐色(茶色)のしみ:肝斑、老人性色素斑、そばかす(雀卵斑)、扁平母斑、外傷後炎症後色素沈着など
灰褐色のしみ:遅発性太田母斑様色素斑など
灰紫色、紫色のしみ:太田母斑、固定薬疹、外傷性刺青など
色素が存在する部位は、
褐色のしみ:表皮基底層
灰褐色のしみ:真皮上~中層
灰紫色、紫色のしみ:真皮中~下層
と次第に深くなっていきます。
治療法:
褐色のしみ
老人性色素斑、そばかすなどはQスイッチレーザーの適応になります。更に十分とれなかった色素斑、薄い色素斑、レーザー後色素沈着にはトレチノイン、ハイドロキノン治療を加えると効果的です。

老人性色素斑

治療後

そばかす

治療後
肝斑はレーザーの適応とはなりませんので、トランサミンの内服や外用治療(トレチノイン、ハイドロキノン)が中心となります。
外傷後または炎症後色素沈着は外用治療(トレチノイン、ハイドロキノン)が効果的です。
扁平母斑は効果的な治療が少ないのですが、Qスイッチレーザーなどを小範囲行い(テストレーザー)、効果があるようなら全体に行います。その後、外用治療を行ったりします。
いずれの治療にせよ、扁平母斑は再発しやすいです。
灰褐色のしみ
遅発性太田母斑様色素斑はQスイッチレーザーの適応になります。比較的深い部分に色素が存在するので、レーザー後も浅いしみ(褐色)の様にすぐに改善はみられません。何故ならレーザーにより破壊された色素がもちさられるのに時間を要するからです。半年~1年をかけて徐々に色素は薄くなっていきます。また、濃い場合数回のレーザーが必要となります。レーザー後の色素沈着も起こしやすいので、レーザー後後療法として外用治療を行います。
灰紫色、紫色のしみ
これらのしみは深い部分に存在するので、正常な組織に損傷を与えずに、深くまでレーザー光が到達するQスイッチレーザーの適応となります。
太田母斑の治療は上記の遅発性太田母斑の治療と同様ですが、治療回数は数回必要です。
固定薬疹後色素沈着の治療もQスイッチレーザーやトレチノイン、ハイドロキノンの外用治療を行います。
外傷性刺青の治療もQスイッチレーザーが効果的です。
しみは色素が存在する皮膚の層により、色が異なって見えます。当然色素が存在する部位により治療法も異なります。





褐色のしみ:表皮基底層
灰褐色のしみ:真皮上~中層
灰紫色、紫色のしみ:真皮中~下層
と次第に深くなっていきます。


老人性色素斑、そばかすなどはQスイッチレーザーの適応になります。更に十分とれなかった色素斑、薄い色素斑、レーザー後色素沈着にはトレチノイン、ハイドロキノン治療を加えると効果的です。

老人性色素斑

治療後

そばかす

治療後
肝斑はレーザーの適応とはなりませんので、トランサミンの内服や外用治療(トレチノイン、ハイドロキノン)が中心となります。
外傷後または炎症後色素沈着は外用治療(トレチノイン、ハイドロキノン)が効果的です。
扁平母斑は効果的な治療が少ないのですが、Qスイッチレーザーなどを小範囲行い(テストレーザー)、効果があるようなら全体に行います。その後、外用治療を行ったりします。
いずれの治療にせよ、扁平母斑は再発しやすいです。

遅発性太田母斑様色素斑はQスイッチレーザーの適応になります。比較的深い部分に色素が存在するので、レーザー後も浅いしみ(褐色)の様にすぐに改善はみられません。何故ならレーザーにより破壊された色素がもちさられるのに時間を要するからです。半年~1年をかけて徐々に色素は薄くなっていきます。また、濃い場合数回のレーザーが必要となります。レーザー後の色素沈着も起こしやすいので、レーザー後後療法として外用治療を行います。

これらのしみは深い部分に存在するので、正常な組織に損傷を与えずに、深くまでレーザー光が到達するQスイッチレーザーの適応となります。
太田母斑の治療は上記の遅発性太田母斑の治療と同様ですが、治療回数は数回必要です。
固定薬疹後色素沈着の治療もQスイッチレーザーやトレチノイン、ハイドロキノンの外用治療を行います。
外傷性刺青の治療もQスイッチレーザーが効果的です。
Posted by yoshiko at
13:26
2009年01月14日
酒さ(赤ら顔)
今日は酒さについてお話します。
酒さは30代~50代に目立ってきます。他の皮膚炎(かぶれや脂漏性湿疹など)と似ていますが、異なる疾患で、ステロイドの外用、油分を多く含む化粧品、皮膚を刺激するようなスキンケアなどで悪化します。
酒さとは:
繰り返す顔面の赤み、ほてりとして発症し、その後前額部、鼻部、両頬の紅斑、毛細血管の拡張、紅色丘疹、小膿疱などを生じる疾患です。

顔面の赤み、毛細血管の拡張

紅色丘疹、小膿疱、両頬の紅斑

治療による改善後
肌状態:いわゆる赤ら顔の状態で、場合によっては、紅色丘疹、小膿疱を伴っています。症状が落ち着くと、丘疹やニキビ様の膿胞(ニキビではない)は落ちつき、毛細血管の拡張や、軽度の赤みを残す状態となります。
悪化因子:ストレス、日光、急激な温度差、アルコールや刺激物の摂取などです。
治療:まず、皮膚を安静に保つスキンケアを心がけます。(洗顔、洗顔剤の使用を控えるなど)また、オイル、クリーム、その他ステロイドなどの外用薬など、肌に使用するのはやめましょう。この肌は敏感ですので、使用すればするほど症状が複雑になります。
紅色丘疹、小膿胞を伴うときにはミノマイシン、ルリッドなどの抗生物質の内服が効果的です。このほかビタミンB2,B6の内服もよいでしょう。
いずれにせよ、皮膚科で相談されてください。
治療目標:
症状には波があります。治療によりある程度は改善しますが、皮膚の赤味などの症状が全くなくなることはむしろ少なく、よくなったり、悪くなったりを繰り返しがちです。
紅色丘疹、小膿疱などがなく、赤味が強く出ない状態をうまく維持するのが良いでしょう。


繰り返す顔面の赤み、ほてりとして発症し、その後前額部、鼻部、両頬の紅斑、毛細血管の拡張、紅色丘疹、小膿疱などを生じる疾患です。
顔面の赤み、毛細血管の拡張
紅色丘疹、小膿疱、両頬の紅斑
治療による改善後



紅色丘疹、小膿胞を伴うときにはミノマイシン、ルリッドなどの抗生物質の内服が効果的です。このほかビタミンB2,B6の内服もよいでしょう。
いずれにせよ、皮膚科で相談されてください。

症状には波があります。治療によりある程度は改善しますが、皮膚の赤味などの症状が全くなくなることはむしろ少なく、よくなったり、悪くなったりを繰り返しがちです。
紅色丘疹、小膿疱などがなく、赤味が強く出ない状態をうまく維持するのが良いでしょう。

Posted by yoshiko at
23:15
2009年01月06日
冬の肌の乾燥の防ぎ方
乾燥でひどく傷んだ肌
乾燥した肌
正常の肌

洗顔
洗いすぎないようにしましょう。朝は水のみで、夜はクレンジングでメークを落とした後、脂っぽいところにのみ、泡立てた低刺激石鹸で優しく洗いましょう。乾燥がひどい時には、ダブル洗顔は不要です。(クレンジングのみ)
保湿
グリセリンやヒアルロン酸入りの無香料の化粧水を使用しましょう。成分がいろいろ入りすぎているとかえってかぶれなどを起こすことがありますので、できるだけ少ない成分でできた化粧水の方が無難です。クリームや乳液も、化粧水と同様に無香料で低刺激のものを使用しましょう。
ニキビなどができている場合は、クリームや乳液などはオイルが含まれているので、使用しない方がよいです。化粧水で保湿力のあるものを使用しましょう。
肌に刺激感がある時、湿疹やかぶれを起こしている時は、クリームや乳液を使用すると、かえって悪化することがありますので注意してください。
食事
良質なオイル(シソ油、アマ二油、オリーブオイル)などを取り入れましょう。オリーブオイルは加熱しても良いですが、シソ油、アマ二油などは火を通さず、サラダなどに直接かけて摂取した方がよいです。
青み魚(サケ、まぐろなど)の油は良質ですので、積極的にタンパク源としても食事に取り入れましょう。ビタミンEを多く含むナッツ類も皮膚の乾燥に効果があります。
ウナギや肝などビタミンAを多く含む食事も肌の乾燥に効果があります。
日常の生活での注意点
1.暖房器具のそばに長時間いないようにしましょう。
肌の水分が奪われてしまいます。炬燵やホットカーペットでうたたねしたりしないようにしましょう。
2.長風呂は控えましょう。
入浴中に皮脂が奪われてしまいます。サウナ、岩盤浴、ホットヨガなども控えましょう。
3.喫煙は控えましょう。
活性酸素が増加し、肌のつや、はりをなくします。
4.規則正しい睡眠をとりましょう。
ホルモンバランスがくずれ、更に肌の乾燥が進みます。


Posted by yoshiko at
22:01