2008年07月07日

傷あとの治療

 今日は傷あとの治療についてお話します。face01
手術後、けが後など傷が気になっている方は結構多いものです。
傷あとにはいくつかのタイプがあります。
1.瘢痕(肥厚性瘢痕を含め)
傷あとの治療
 手術やけがで傷を縫合したあと、傷に幅が出たり、傷が陥凹したり、肥厚したり(赤くふくらんだり)、スーチャーマークと言って糸あとが線路のように目立つ場合、傷が皮膚のしわの線にそっておらず目立つ場合などいろいろな状況があります。
 治療(受傷後)して日が浅い場合、約半年は経過を観察するのが一般的です。その後、目立つ場合は修正の手術をおこないます。
治療:可能なら手術による修正を行います。部位、瘢痕の状況などにより、治療法(修正の手術法)が異なりますので、形成外科を受診され相談されてください。
2.ケロイド
 予防接種のあとや、虫さされ、にきびのあとが、赤く盛り上がりかゆみを伴って広がってくることがあります。
 起きやすい部位は、前胸部、肩、陰部です。ピアスの穴が化膿などを繰り返しおこし、ケロイド状にもりあがることもあります。
傷あとの治療 
治療ステロイドの局所注射を行います。ある程度改善したら、ステロイド含有テープなどを使用することもあります。手術は原則的には行いませんが、耳垂ではきちんとした管理のもとに行うこともあります。
3.外傷後色素沈着 
 転倒し擦りむいたあとや、やけどのあとが色素沈着になることがあります。
傷あとの治療
 傷に砂などの異物が混入することで、外傷後の刺青(青や黒いあと)になることもあります。
傷あとの治療
 予防のためにも、治ったあとは日焼けをしないように遮光しましょう。
治療:色素沈着には、ハイドロキノン単独外用、トレチノイン、ハイドロキノンの外用治療、イオン導入などを、外傷後刺青に対しては、Qスイッチレーザー治療などを行います。



Posted by yoshiko at 10:29
この記事へのコメント
脚が乾燥して痒くなりやすいために掻いてしまい、傷ができて、跡が色素沈着として残ってしまっています。
しばらく時間が経てば徐々には薄くなっているのですが、完全にはなかなか消えません。
このような場合も、トレチノインやレーザーなどで治療可能なのでしょうか?
Posted by aya at 2008年08月01日 03:06
ayaさんへ

 お返事大変遅くなりごめんなさい。
 炎症後の色素沈着は、レーザーの適応にはなりません。
 トレチノインは使用することは可能ですが、皮向けや赤味といった刺激症状があるので、皮膚炎後の治療には、十分な注意を払って使用しなければなりません。無理して使用したせいで、また皮膚炎がぶりかえすことが考えられるからです。
 いずれにせよ、乾燥しないよう、入浴は軽めにし、入浴後にきちんと保湿剤を使用され、かゆみがある場合は、皮膚科で早めに外用薬をもらわれ、色素沈着を新たに作らないように気をつけられてくださいね。
 
  柴田佳子クリニック  柴田より
Posted by yoshikoyoshiko at 2008年08月20日 21:51
有難うございました。
今後、保湿など気をつけるようにします。
Posted by aya at 2008年08月22日 20:33